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【住宅ローン金利の選択と予測】

【住宅ローン金利の選択と予測】

市中金融機関の住宅ローン金利は、一般的に変動金利が固定金利を下回ります。

金融機関にとっての変動金利メリットは、固定金利より低く設定しても金利上昇局面では随時に改定金利が適用される為、収益性が確保される事です。

一方、借り手にとっては、一般的に金利上昇局面では低金利が長期に維持される固定金利を選択し、金利低下が見込まれる局面では変動金利を選択することが有利に働きます。

しかしながら、将来の金利予測は非常に難しく、①当面金利上昇はないと判断して低い変動金利を選択し、予想外に上昇した場合5年毎の返済額の見直し時点で新規返済額が上限の1.25倍を超える金利上昇が生じた場合には未払利息が生じ、元金返済が予定通りに進まない可能性もあり得ます。また、②一般的に、短期金利よりも将来予測で動く長期金利の方が先に動く傾向がありますので、変動金利型住宅ローンの金利が上昇する前に、固定金利型住宅ローンの金利が上昇してしまう可能性が高いので、「金利が上昇してきたら固定金利へ変更しよう」とお考えの方は十分注意が必要です。

適用金利の選択は、お子様の進学や各種ライフイベント等を十分考慮し、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。

 

【指標金利】

住宅ローンの固定金利は、一般的に「長期金利」を指標とし、その他市場動向等を考慮して決定するとされています。

「長期金利」とは、取引期間が1年以上の資金を貸し借りする際の金利を指し、日本では一般的に「新発10年国債の流通利回り」が指標金利とされています。

「国債」とは、国が発行する債券で、「新発10年国債利回り」は、新規に発行された償還期間10年の国債の流通利回りとなります。

債権(国債)は「価格が下落すると利回りが上昇し、価格が上昇すると利回りが下落する」といった特徴があります。

例えば、信用不安が増大すると価格は下落し利回りが上昇し、その影響で住宅ローン金利が上昇することとなります。

 

ここで、コロナです。

現状において、この類を見ない財政出動はやむを得ない手段と考えられますが、今後の影響が大いに気になるところです。。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年度第2次補正予算が成立し、1次と合わせた国の借金(新規国債発行額)は計57・6兆円に達し、2020年度の一般会計歳出は、1次補正(25.7兆円)と2次補正(31.9兆円)が増加し、160.3兆円となり、当初予算(102.7兆円)から大幅な増加となりました。

加えて、本邦の国債債務残高割合は19年の国内総生産(GDP)に対し237.4%。同ドイツ(59.8%)や米国(109.0%)と比しても非常に厳しい状況です。

一般的には、債務残高が増大するとクレジットリスクも増加し、金利上昇がみられます。

しかしながら、本邦国債の金利は日銀が国債を無制限に買う方針の実行によって、長期金利の指標となる10年物国債の金利を0%に抑えている為、現状は低金利が維持されています。

アフター・コロナでは、観光や外食を含む消費への積極介入策が既に出て来ていますが、その反面、これまでとは逆に、インフレ期待が高まり、物価や金利が上昇する可能性が高まることにより、長期的には金利が緩やかな上昇トレンドに向かう可能性も考慮しておく必要があるかもしれません。

将来の金利予測は、様々な専門家が多様な指標や見解を述べられていますが、ご承知のとおり千差万別です。

種々のケースを想定し、柔軟に対応できる資金計画を立てることが大切ではないかと思料致します。