悩ましい老後資金

過日、日本生命が行ったアンケートにて、セカンドライフを始めるまでに備えたい資金は平均で3,033万円との報道がありました。

著しく高齢化がすすむ本邦において、老後資金の準備は大変重要な課題であることはご承知のとおりです。

一般的に、セカンドライフのスタート年齢は65才を指していますが、自身を振り返るとその年齢到達まであまり猶予がなく、悩ましいところです。今回、改めて老後資金の必要性について考えてみました。

報道された3,033万円は、到達時点でのその他資産を含めたものであり、企業・個人年金や保険等の額、或いは支出等の額は其々のご家庭によって自ずと相違するものですので、あくまで参考指標として捉えて頂くと宜しいかと存じます。

一方、支出圧縮のための施策の一つとして住居費を如何にするか、賃貸か取得かによって下記の試算は大きく差異が生じます。長期的視野に立ち、早めのご計画及び実行をお勧めいたします。

 

1、平均寿命

厚生労働省が発表している「平成 30 年簡易生命表」では、男性の平均寿命は 81.25 年、女性は87.32 年とされ、過去最高(平成 29 年の 87.26 年)を更新しています。

年金受給開始年齢を65才として、男性はあと約16年、女性は同約22年の期間があります。

※ 因みに、上記平均寿命とは、本年生誕者の平均寿命を指しています。

 

2、必要生活費

2019年総務省家計調査報告のデータでは、高齢夫婦無職世帯の生活費(夫65歳以上・妻60歳以上夫婦のみの無職世帯)の平均は月額約27万円という結果が示されています。

 

3、セカンドライフ開始までに準備したい貯蓄額

①国民年金(満額)の場合

月額収入:65,141円×2(ご夫婦)= 130,282円・・・(A)

月額支出:            = 270,000円・・・(B)

月の過不足額:          =  △139,718円・・・(A-B)

必要準備額:139,718円×12か月×22年=【3,688万円】

②厚生年金(専業主婦サラリーマンモデル世帯)の場合

月額収入:          = 220,724円・・・(A)

月額支出:          = 270,000円・・・(B)

月の過不足額:        =  △81,006円・・・(A-B)

必要準備額:81,006円×12か月×22年=【2,138万円】

 

4、ご注意

・これらは簡便な手法によるものですので、個々の状況等により大きく変動します事をご承知願います。

・上記月額支出270,000円に含まれる住居関連費は月額13,525円です。これは既に住宅を取得済、且つ借入金がない状況と推定されます。従いまして、賃貸住まいの方、或いは住宅ローンの支払いが残っている場合には更に加算して考える必要があります。

以上

今世紀末は平均気温+4度

気象庁の長期予測によると、今世紀末における長崎市の年間平均気温は約4℃の上昇が予想されています。

前世紀の長崎市約1.63℃の上昇と比較すると、上昇のスピードは著しく速度を増しています。

猛暑日も同様に大きく増加し、今世紀末には大雨の回数が約2倍、雨の降らない日も増加することが予想されております。

これに伴い、気象庁では、今後洪水、浸水、土砂災害などの自然災害リスクの増大と水不足のリスク増大懸念を指摘しています。

・平均気温

長崎市 (20世紀末)17.0℃ → (今世紀末)21.0℃

佐世保市(20世紀末)16.7℃ → (今世紀末)21.0℃

・猛暑日

長崎市 (20世紀末)1.6日 → (今世紀末)34日

佐世保市(20世紀末)2.1日 → (今世紀末)35日

 

昨今、地球温暖化への世界的対応が大きな課題として取り上げられておますが、決してどこかの話ではありません。

この状況が、今後私たちの生活、子供たちの世代にどのような影響をもたらすのか非常に心配です。

現在行われている温暖化サミットでの強国の対応は足並みが揃わず、非常に憂慮するものがあります。

私自身、小さなことではありますが、光熱費等の無用の消費やゴミを出さない工夫など、日常の出来ることをおざなりにしない様、注意していきたいと思いました。

「終活」について

建物の売却や解体のご相談に際しては、「そろそろ整理をしておかないとね」とか「後々、面倒をかけたくないから」等々のご判断理由を伺います。

最近も転居のご相談を承りながら、過去に私自身、ある施設で行われていた「終活について」の講習会に参加させて頂いた時のことを思い出しました。当時はまだ「終活」という言葉も耳に新しく、「エンディングノート」についても認識ありませんでした。

講師の方より、急速に進む少子高齢化社会では、ご自身の後々の整理はご自身でするべき時代になってきており、「終活」が必要である旨の話がございました。

※ 終活(しゅうかつ)とは「人生の終わりのための活動」、自らの死を意識して、人生の最期を迎えるための様々な準備や、そこに向けた人生の総括を意味する言葉とされています。

私自身、以前は「日本人は平均寿命が長いからまだまだ大丈夫」、と他人事の様に油断しておりました。

※ 日本人の平均寿命:女性87.32歳(世界2位)、男性81.25歳(同3位)…2019.7.30簡易生命表

これまでも、万が一といった場面に遭遇することが全く無かったわけでは無く、その都度「予測しないことも起こる可能性がある。生じた場合にどうするのか」と自分に言い聞かせるのですが、いつの間にか忘れていたように思えます。

しかしながら、私事今般事業を開始した時点から就業環境等が大幅に変化しましたので、職業柄当然にライフプランの見直しを行いました。

今後の収支予想やイベントの整理、収支過不足発生時の対応策、現有する又は今後変動予定の不動産や保険・預貯金等の資産内容の見直し等々行いました。

その中で「自身に万が一が生じたとき」に、資産の処理や葬儀、お墓に至るまで整理し直しました。万が一は勿論避けたいのですが、こればかりは予測のしようがありません。

いつ何時に備える保険と同じようなものと捉えて、「終活」を意識されてはいかがでしょうか。

 ※ この「万が一が生じたとき」に有用な手段が「エンディングノート」です。

別途、情報欄へエンディングノートについて記述しました。ご参考にしていただければ幸いです。

ライフプラン

賃貸と購入はどちらが得か?

住居を構える場合、賃貸にするか購入にするのか、その場合どちらが得なのか、ネット等でも様々な見解が示されています。

一般的には、購入した場合にはどこの比較時点においても「買った不動産が資産として残る」大きなメリットがあり、総居住費が賃貸より少々オーバーしても得である旨の判断割合が多いように見受けられます。

(事例1)期間50年での総居住費用試算

(1)賃貸時の総居住費 42,000千円(月額家賃等70千円×12カ月×50年)

(2)購入時の総居住費 51,894千円(①~④)

① 購入費用      40,000千円

② ローン金利      1,694千円(借入額35,000千円、期間30年、金利1.2%)

③ リフォーム費用    5,000千円(50年間中の)

④ 固定資産税(仮値 )  5,200千円(初年度税額208千円×50年÷2)

・土地12,000千円×1/6×1.4%+12,000千円×1/3×0.3%=40千円(初年度)

・建物12,000千円×1.4%=168千円(初年度)

※ 上記試算では購入した場合が、総居住費は9,894千円多く負担することとなりますが、手元には不動産が資産として残ることとなります。

※ 上記購入時の試算値は自己資金(事例は500万円)、借入額や期間或いは金利、リフォームの程度等により大きく変動しますので、単純比較は難しいものがあります。

※ 結果、賃貸と購入の比較はそれぞれの条件によって金額的に大きく変動します。また、求める生活スタイルによっても変化しますので、一概に判定することは難しいと言わざるを得ません。最終的には、ご自身の長期的収支予測に基づき、余裕のある取得計画によって判断されることをお勧めいたします。

 

ライフプランの重要性

購入であっても、賃貸であっても、決定前に行うべきことがあります。それはライフプランの策定です。

皆様、何れを選択するとしても、事前に必ず現在の収入から支払うことが出来るか、余裕はどうか等判断されていると思います。これがライフプラン計画です。

より将来の経済的安全性を高めるためには、さらに詳細を網羅したライフプラン計画の策定が有効です。

別途、ライフプラン計画表を添付しておりますので、ぜひご活用ください。

※ ライフプラン計画表の策定は、住宅の取得等に限らず随時に行うことも、非常に有用と思料いたします。

地目変更の有効性

(ご質問)
今般、「空家を解体した後、固定資産税が高くなるため土地の地目を宅地から雑種地等へ変更したいと思うがどうだろうか?」とのご質問を頂きました。
(お答え)
本件ご質問ケースの場合、建物解体後、地目変更登記を行う事は可能ですが、固定資産税が下がるとは言い切れません。
地目には登記地目と評価地目があり、前者は法務局登記により、後者は市(固定資産税の評価を管轄する都市計画課等)が決定しますので、法務局への変更登記イコール評価地目とはなりません。

・登記地目 → 法務局(登記申請による)

・評価地目 → 市役所(実態調査により決定)
通常、法務局登記を行うと市で把握し、市が現地調査を行った後地目変更及び評価替えの必要性を検討します。
固定資産税が変わらないであろう理由は、上記ケースの場合、元々建物があった土地ですから建物解体直後は更地の状況でしょう。従って、山林や畑等に看做すことは難しく、加えて、隣接・近隣の状況等総合的に勘案して市が独自に評価地目を判断しますので、登記直後は従前と同様の評価価格となる可能性が高いからです。
また、あえて宅地の変更登記を行わなくとも、市は建物の滅失登記を確認後、現地調査を行い現在の状況で評価確認を行います。登記上の地目ではなく、現地調査時点での状況がどうかを改めて確認し、評価替えの必要性を判断します。

坂の町

今日は、物件確認で久しぶりに地獄坂を通りました。
改めてその斜度の高さを実感しましたが、長崎にはここに負けない坂道はたくさんあります。

物件確認を終え、遠目ながらふと坂道の上の方を見ると、ご年配の女性が両手に荷物をもって下ってこられているところでした。
こんな急な坂を大変だなあと思う間もなく、足を取られたのか荷物を持ったまま前のめりに倒れてしまいました。
走っていくと、相当の怪我が認められたので救急車を呼びましょうというと固辞されます。
出来る手当ての上お送りしましたが、憤懣遣る方無い気持ちが消えません。

坂の町長崎だから已む無し?いやいや、許容できません。
世間では超高齢化社会の到来と言って久しく、それらを承知しているのであればなおさら、その方々に優しい施策の実行は急務であるはずです。
なぜご高齢の女性が(女性に限りませんが)一人で重い買い物袋をもって急な坂を上り下りしないといけないのか?
なぜ今日のご婦人はあのような大きな怪我をしなければならなかったのか?
場所や経済的、或いはご家族状況等々、ご家庭個別の背景事情のせいではなく、それらも包含した社会的フォロー体制の構築がなされているのか甚だ疑問を持ちます。
お買い物で見ると、確かに一部のスーパー等ではお届けサービス等を実施していただいていますが、あくまでも企業努力の結果です。
長崎の活性化、企業誘致、県民所得の増加等々求める課題は重要でしょうが、足元にある人に優しい施策の考察・実行を優先してほしいと思いました。
自身に何が出来るのか、考えさせられた一日でした。

思いのままの雑筆、お目汚しでございます。

【消費税増税】の影響

消費税増税の影響

2014年4月に消費税が5%から8%に引き上げられ、延期されていた10%への増税は2019年10月に実施される予定です。
住宅のご購入にあたり、どのような影響が出るのかを考えてみました。

1、適用基準

(1)旧税率の適用期限は売買契約日ではなく2019年9月30日までの引渡しが必要
もし、増税前の8%の消費税で住宅を購入したい場合、2019年9月30日までに不動産の「引渡し」を受ける必要があります。不動産売買契約日ではない事に注意して、余裕を持った計画を進めなくてはなりません。

(2)請負契約の契約期限は2019年9月30日(経過措置)
注文住宅等では完成時期が引渡しが2019年10月以降となっても、工事請負契約を2019年3月31日までに締結すると、消費税は8%が適用されます。

2、増税の影響

(1)建物にかかる価格が消費税増税に影響があります
① 売買価格
住宅を購入する際に消費税が課税されるのは、「建物」です。「土地」部分に消費税は課税されません。これは一戸建てでもマンションでも同じです。
また、一般的に消費税が課税されるのは新築ですが、売主が「課税事業者」の場合にも消費税が課税されますので注意が必要です。
※ 税額の変化
・対象価格2,000万円の場合、消費税は8%160万円 ⇒ 10%200万円(+40万円)
・対象価格2,500万円の場合、消費税は8%200万円 ⇒ 10%250万円(+50万円)
・対象価格3,000万円の場合、消費税は8%240万円 ⇒ 10%300万円(+60万円)

②仲介手数料
住宅を購入する際に不動産会社を介す場合、仲介手数料が必要となりますが、これも同様に増加します。
対象価格が400万円超の場合の仲介手数料は、「(売買価格×3%+6万円)×消費税」で簡易計算されます。
※手数料の変化
・売買価格2,000万円の場合、仲介手数料は  712,800円 ⇒   726,000円(+14,000円)
・売買価格3,000万円の場合、仲介手数料は1,036,800円 ⇒ 1,056,000円(+19,200円)
・売買価格5,000万円の場合、仲介手数料は1,684,800円 ⇒ 1,716,000円(+31,200円)

3、政府が掲げる税負担の緩和策

(1)所得税に関し「住宅ローン控除」
住宅を取得してから6ヶ月以内に入居し、その後も引き続き住み続けることで、入居した年から10年間にわたりローン残高の1%相当額が【所得税】から控除されます。結果、以後10年にわたり所得税や住民税の負担が大幅に軽減されます。
・一般住宅の場合 年末残高限度4,000万円、控除率1%、各年税額控除限度40万円
・認定住宅の場合 年末残高限度5,000万円、控除率1%、各年税額控除限度50万円
※認定長期優良住宅とは、長期優良住宅の普及の促進に関する法律に規定する、認定長期優良住宅に該当する家屋で一定のものの新築又は建築後使用されたことのない住宅のことです。

(2)住民税に関し
平成21年1月1日から平成33年(2021年)12月31日までに入居した人で、 所得税の住宅ローン控除の適用を受けた人で、所得税から控除しきれなかった控除額がある場合に、翌年度分の個人住民税において、当該残額に相当する額を次の控除限度額の範囲内で控除します。
・控除限度額:所得税の課税総所得金額等×7%(最高13.65万円)
※住宅の対価の額または費用の額に含まれる消費税等の税率が8%または10%である場合。それ以外は所得税の課税総所得金額等×5%となります。

4、購入時期の考察

消費税増税前後における住宅のご購入は、消費税額だけを捉えると増税前の方が有利です。しかしながら、あくまで私見ですが、増税前の駆け込み需要が増加すると販売(請負)価格の圧縮は見込み難く、一方増税後の反動(需要低下)により、販売(請負)価格が落ち着く可能性も十分考えられるため、消費税だけを捉えて判断することはないとも考えられます。
また、中古住宅については、売主が消費税の課税対象事業者ではない「個人」である場合、もとから消費税は課税されません。従いまして、中古住宅を検討している場合は、むしろ増税後の価格の安定時期を見て求めることも選択肢の一つではないでしょうか。

5、大切なのは

消費税増税は、不動産のご購入を決める大きな要素となることを否定しませんが、不動産の取得には大きな出費を伴いますので、決して後悔することがあってはなりません。
大切なことは、ご購入のタイミングは外的な要因ではなく、それぞれのご家庭でのタイミングで判断することだ思います。
年齢・収入が同じだからといって、購入時期や投下資金等が同じであるはずがありません。家族構成・今後の中長期的ライフプラン等々はそれぞれ相違しており、大切なのは取得後も計画した生活設計が安定して推移していくためのタイミングに合わせることと考えます。

空き家の状況

最近の訪問活動では、どこの地域でも空き家が確認できます。
屋根の一部が落ちていたり、庭が1メートル以上の雑草で埋め尽くされている家等がありました。
一団の団地内では、ご近所の方等は苦慮していることだろうと思料されました。

長崎市から ”特定空き家” の指定前にご対応できればと思いました。